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循環動態の指標
心筋について
循環に関わる神経の働き
生化学的マーカー
運動時の循環反応
末梢循環(血管)について
心臓リハビリテーションにおける英語・略語集
引用・参考文献
循環動態の指標
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中心静脈圧(central venous pressure:CVP)
圧は3〜6mmHg
右心房内圧、心室充満圧を示す指標である。
心筋について
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心筋の特性
心筋は横紋筋であり、生化学的には赤筋に近い性質である。
固有心筋(作業心筋)と特殊心筋(刺激伝導系)に大別される。
心筋活動に必要なエネルギーは、ミトコンドリアにおいて酸化的リン酸化により産生される。
心筋は、エネルギーの保存量が少ないため、虚血に弱い。(心筋内に貯蔵されたグリコーゲンでは6分、中性脂肪では12分間前後しか心筋活動を維持できない。)
循環に関わる神経の働き
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心拍、呼吸 ⇒ 延髄にある中枢で調節される
心臓 ⇒ 交感神経と副交感神経の支配を受ける
脈管系 ⇒ 一部を除いて交感神経のみの支配を受ける
心臓の自律神経支配
心臓迷走神経(副交感神経)の節前線維神経細胞は延髄の迷走神経背側核にある。
反回神経および胸部迷走神経から心臓枝が起こる。
交感神経の節前線維は胸髄上半分(Th1〜5)の側核に発し、上、中、顎と第1、第2肋骨起始部の前面にある星状神経節を経て節後線維となり、それぞれ上・中・下心臓神経として心基部に達し、迷走神経心臓枝とともに心臓神経叢を形成する。
生化学的マーカー
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心筋壊死の生化学的マーカー
AMI(急性心筋梗塞)の血液生化学的診断において用いられてきたCK-MB
→
特異性が高くない。特に総CK値が低い場合(心不全、呼吸不全などで末梢組織の虚血が生じている場合など)には信頼性が低い。
そこで、より心筋に特異的なマーカー → ミオシン軽鎖、トロポニンT、トロポニンI
(トロポニンTはAMI発症後3時間程度から血中へ放出されるため、早期診断には限界がある。また、慢性心不全や腎不全ではしばしば陽性となる。そこで、心臓型脂肪酸結合蛋白(H-FABP)などとの組み合わせによる診断が試みられている。)
狭心症や心筋梗塞の胸痛について
心臓の痛みの機序
冠動脈閉塞により閉塞部位より遠位の冠動脈内圧が低下 → 冠動脈の圧受容体が刺激される
。
心筋虚血により、圧受容体が刺激される。
組織や血小板の崩壊の結果生じた化学物質が放出される。
心筋虚血にょり、内臓の痛覚受容器が刺激される。
痛みの受容体
自由神経終末自体が受容体と考えられている。
虚血だけでなく、ブラジキニンに対しても応答するものがある。
細胞障害により細胞外に漏出したK+、セロトニン、プロスタグランジン、ヒスタミンなども受容体を興奮させたり、感作させ、内因性発痛物質といわれる。
心臓の求心性線維
心臓には有髄の細いAδ線維やさらに細い無髄のC線維が
求心性線維として分布。
心臓痛の伝達路は、交感神経が主体である。心臓全体に分布している。
心臓から出た交感神経求心性線維は、脊髄後角内に入り、脊髄視床路および脊髄網様体路を経由して中枢に達する。
関連痛について
胸骨後部、心臓前面、前頚部、肩・腕・手・顎・歯などへの関連痛がある。
これには2つの説がある。
1)収束説(こちらの説が有力)
内蔵受容器から出る求心性線維が体性感覚受容器からの求心性線維と連絡しているため、中枢では内臓からの入力も皮膚などからの入力であるように感じてしまう。
2)促通説
内臓からの入力が体性感覚入力を受けている脊髄視床路の神経細胞の閾値を下げるため、わずかの体性感覚入力が中枢へ伝達される。
心肥大について
心筋組織には3つの要素がある
1)心筋細胞からなる心筋
2)血管
3)コラーゲンと線維芽細胞やマクロファージからなる間質
上記の要素は、組織学的な均一性を保つために重要な働きをしている。
血行動態の変化に伴う代償性心肥大・拡張は、血行動態の変化を代償して生体のホメオスタシスを維持するための一時しのぎ(リモデリング)といえる。
一時しのぎが限界になると、心筋の壁の構造的異常は拡張障害と収縮障害を促進し、心不全となる。心不全の他に、心肥大は虚血性心疾患、不整脈や突然死の独立した危険因子となる。
リモデリングとは?
生体に加わる負荷の変化に対応して生体がホメオスタシスを保つために行う再構築、改変のこと。高血圧に伴う左室リモデリングや血管リモデリング、AMIに伴う左室リモデリングのような構造、形態の変化から、心房細動後の電気的リモデリングのような機能的変化まである。
心肥大の種類
心筋重量の増大を心肥大と呼び、以下の2種類がある。
1)求心性肥大(内腔の拡張を伴わない)
2)遠心性肥大
(内腔の拡張を伴う)
圧負荷に対する反応
Laplaceの法則:代償性の心肥大においては、血圧の上昇に応じて壁厚が大きくなることで壁応力は一定に保たれる。
容量負荷に対する反応
Frank-Starling曲線:容量負荷に対して心臓はFrank-Starling曲線上を右上方に移動して心拍出量を増加させるが、慢性的に容量負荷が加わるとFrank-Starling曲線は健常者に比べて横に寝た様になる。
スターリングの心臓の法則とは?
心筋は収縮前の筋の長さに比例して次の収縮力を変化させるという特性がある。
静脈還流量が増加する ⇒ 心室拡張終期容量が増加する ⇒ 心筋が伸長される ⇒ 心筋収縮力が増大する ⇒ 1回拍出量が増加する
この連動した仕組みを「スターリングの心臓の法則」という
運動時の循環反応
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安静時の心拍出量:約5L/分
↓
最大運動時の心拍出量:20〜40L/分
運動時の心拍数
運動時の心拍数は、VO2の増加とともに、ほぼ直線的に増加する。
持久性能力が高い人の方が心拍数の増加が少ない。
低強度の運動 ⇒ 心臓副交感神経活動の減少により心拍数が上昇する
高強度の運動 ⇒ 心臓交感神経活動の亢進が優勢に働き、心拍数が上昇する
※上記が通説とされているが、誤りであるとする研究もある1)
その研究によると、運動初期や低強度の運動においては、心臓副交感神経活動の抑制はあったとしてもわずかで、心臓交感神経活動の増加が心拍数を増加させる、とのことである。
運動時の心拍出量
1回拍出量の変化
最大酸素摂取量の40〜60%程度までの強度 ⇒ 増加する
それ以上の運動強度 ⇒ プラトーになるか、わずかしか増加しない。
低強度の運動 ⇒ EDV(心室拡張終期容量)の増大が1回拍出量を増大させる ⇒ 静脈還流量の増加による
高強度の運動 ⇒ ESV(心室収縮終期容量)の増大が1回拍出量を増大させる ⇒ 心筋収縮力の増加による
末梢循環(血管)について
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血管の構造
血管の種類
血液を心臓から末梢に送り出す ⇒ 動脈
血液を末梢から心臓に送り出す ⇒ 静脈
動脈と静脈をつなぐ ⇒ 毛細血管
血管の膜
内膜・中膜・外膜の3層の膜から構成される
動脈は、心臓から送り出される血液の強い圧力に耐えるため、静脈に比べて中膜が厚くなっている。
内膜:1層の内皮細胞と少量の結合組織からなる
内膜:平滑筋と弾性線維(エラスチン、コラーゲン)が含まれている
外膜:主成分は結合組織
毛細血管には平滑筋はなく、1層の内皮細胞から構成されている
大動脈の伸展性について
左室1回拍出量の約50%は収縮期に末梢血管へ流出し、残りの約50%は大動脈および近位動脈が伸展することにより蓄えられ、拡張期に動脈壁の弾性で末梢に送り出される。このことにより、収縮期と拡張期における血圧と血流量の変動が平坦化される。
⇒ ウィンドケッセル機能と呼ばれる。
⇒ 加齢や動脈硬化などで大動脈の伸展性が低下すると、この機能が十分に働かず、血圧が高くなる
血管の調節について
血管の収縮・拡張の調節機構は、3つある
1.心臓血管中枢を中心とする「神経性調節」
2.ホルモンなどによる「体液性調節」
3.血管内皮細胞などによる「局所性調節」
1.神経性調節
調節する神経中枢は、延髄の心臓血管中枢である
■心臓血管中枢への入力は、圧受容器と化学受容器からの入力がある
1.圧受容器
大動脈弓と頸動脈洞に存在する
血管壁の伸展に鋭敏な神経終末を有する
動脈の血圧が上昇 → 圧受容器が刺激される → 心臓血管中枢への入力が増加 → 心臓血管中枢からの遠心性交感神経活動を抑制 → 動脈の平滑筋緊張度が低下 → 血管が拡張 → 動脈圧が低下
2.化学受容器
頸動脈小体と大動脈体に存在する
血中の酸素濃度、二酸化炭素濃度、pHの変化に反応する
この調節は呼吸機能が低下した場合にのみ行われる
■心臓血管中枢からの出力
血管の平滑筋は、交感神経の支配を受ける
ほとんどの血管は、副交感神経の支配は受けない
⇒つまり、神経性調節による平滑筋の緊張度は交感神経の刺激により決定されている
交感神経が興奮すると、交感神経終末からノルアドレナリンが放出され、血管が収縮する
2.体液性調節
体液性調節は、神経性調節と比べ、長時間にわたって血圧や血液量を変化させる
血管拡張を引き起こす因子:心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide:ANP)など
血管収縮を引き起こす因子:ノルアドレナリン、アドレナリン、アンジオテンシンU、バソプレッシンなど
3.局所性調節
局所性調節には、血管内皮細胞によるものと、代謝産物によるものがある
■血管内皮細胞
・エンドセリン
きわめて強力な血管収縮作用をもつペプチドである
血管収縮物質の中で最も昇圧活性が高く、持続時間も長い
血管内皮細胞からのエンドセリン−1の産生分泌を抑制する因子には、NO(一酸化窒素)やANPなどがある
研究により、片脚運動時には、非活動肢の静脈でエンドセリン−1濃度が増大するが、活動肢の静脈のエンドセリン−1濃度は変化しないことが分かっている
⇒このことから、エンドセリン−1の分泌により非活動肢の血流量を減少させることで、活動筋に必要な血流量を増大させている可能性が考えられる
・一酸化窒素(nitric oxide:NO)
NOは血管内皮由来弛緩因子(endothelium-derived relaxing factor:EDRF)である
アセチルコリンは血管内皮細胞から強力な血管拡張作用をもつEDRFを遊離することにより血管を拡張させる。
血管内皮細胞にずり応力などの刺激が加わると、細胞内Ca2+濃度が上昇し、NOが産生される。
・その他
その他の血管拡張作用を有する物質として、プロスタサイクリン、C型ナトリウム利尿ペプチド(C-type natriuretic peptide:CNP)、アドレノメデュリンなどがある
■代謝産物
二酸化炭素、乳酸、リン酸、アデノシン、カリウムイオンなどの代謝産物は、血管拡張作用を有する
活動筋の血管を拡張する代謝性因子としては、二酸化炭素、乳酸、低酸素、組織pHの低下、アデノシン、カリウムイオン、水素イオン、リン酸などがある
運動時の血管拡張の仕組み
運動時には交感神経活性の亢進により血管が収縮するはずであるが、実際には拡張するのは、どういう働きによるものだろうか?
運動時の骨格筋には血管収縮に働く作用と血管拡張に働く作用が同時に働くが、血管拡張作用のほうが優勢に働くため、運動筋には運動性充実が生じる。
また、血管を拡張させる筋代謝産物は、同時にアドレナリン作動性交感神経活動の亢進を抑制する働きがある ⇒ この働きを機能的交感神経遮断(functional sympatholysis)と呼ぶ
運動開始すると30秒以内に機能的交感神経遮断が起きる
心臓リハビリテーションにおける英語・略語集
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| 英略語集 | |
| SBP | 収縮期血圧 |
| DBP | 拡張器血圧 |
| ESV(end-systolic volume) | 心室収縮終期容量 |
| EDV(end-diastolic volume) | 心室拡張終期容量 |
| CO(cardiac ooutput) | 心拍出量 |
| ECG(electrocardiogram) | 心電図 |
| 略語集 | |
| アオルタ | 大動脈、aorta |
| アレスト | 心停止、arrest |
| エーカーゲー | 心電図、EKG(Electro kardiogram)(ドイツ語) |
| A弁 | 大動脈弁 |
| エムアイ | 心筋梗塞、MI(Myocardial infarction) |
| M弁 | 僧帽弁 |
| カテ、心カテ | 心血管造影、CAG(Coronary angiography) |
| キャブ、キャブジー、キャベジー | 冠動脈バイパス術、CABG(Coronary artery bypass grafting) |
| ステる、ステった | 亡くなる、亡くなった |
| ステート | 聴診器 |
| タキる | 頻脈になること、rachycardia |
| のびる | 徐脈になること |
| パフ | 発作性心房細動、Paf(Paroximal atrial fibrillation) |
| バルパン | 大動脈内バルーンパンピング、IABP |
| ブラディー | 徐脈、Bradycardia |
| ライタ | 右内胸動脈、RITA(Right internal thoracic artery) |
| リタ | 左内胸動脈、LITA(left internal thoracic artery) |
| Aライン | 動脈ライン |
引用・参考文献
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1)斉藤満 編著:循環U 運動時の調節と適応、有限会社ナップ、2007
